カウンセリングハウス Concierge順子 〜コンシェルジュ ジュンコ〜 Concierge順子はこころの救急車です。
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恋愛小説・心理カウンセリング

6.怨念製造機
貴方は何も語ろうとはしない。
貴方は何も話してくれない。
まるで失感情症のように、自分自身の心を言葉にしない。
まるで秘密主義者のように、自分自身に起きたことを言葉にしない。
あたかも、後ろめたさをを隠し通そうとするかのように。

だから私は、いつも妄想の中にいて、貴方を誤解し、貴方を疑い、貴方の行動を気にする。
でも、それも第六感から生じるのかもしれないと、また貴方の所在確認が欲しくなる。
信頼という牙城が音を立てて崩れていく。

不器用な男なのか、寡黙な男なのか、ずるい男なのか、形容しがたいけれど
言い合いになると、短絡的に見え透いた嘘をついていることが
話し合うことも無く約束を破っていることが、なんとなく私の肌に伝わってくる。

すると
突然、私の身体の中が火をついたように熱くなる。
「怒り」「憎しみ」「嫉妬」「輪をかけた妄想」「堪え切れない程の恨みごと」
そして、お決まりのコースは、人生返却の直訴。

まるで貴方は「怨念製造機」。
お互いに、人の魂から生まれ、人の魂に育てられ、向き合っている魂ならば、どうして無下に踏みにじれるのか・・・。

貴方に悪気はないのかもしれない。
貴方は無意識に、貴方の論理で生きているのかもしれない。
だけど、男と女が向き合った時
貴方の行いは、貴方の論理だけで「正当化」出来るものなのだろうか・・・。
それも貴方は語ろうとはしない。
相手が訴えていることの意味すら知ろうとしない。

だから、貴方は「永遠に、人の心がわからぬ人。」
そして、私の怨念は、心の奥で日増しに膨らんでいく。
貴方と生きる日常に、崩れた心を修復せぬまま。

貴方は確かに「怨念製造機」。
信頼を他所に置いて心を開くことなく、私の心を置き去りにして。
人と人が「共に生きる。」ということは、ひとつの疑問を曖昧なままに、信頼関係を築かぬままに
ただ、淡々と時を共にすることではないだろう・・・。

そして
貴方は浅はかに、ひとつの魂を受けきれぬ自己を捉え返すことなく、その重さを感じることなく
今日も生きる自分勝手に。


信頼が崩れているのに、修復もせずに先に進もうとする人。
心を訴えても解決を見ないうちに、まるで雲隠れするかのように不問にふす人。
浅はかな認識の中で人間関係を紡ごうとはしない人。
寡黙ならまだよいけれど、意味なき言葉で人生を括ろうとする人。
「共に生きる。」
相手は納得が出来ないまま、ただ時が流れ、心の中の怨念を捨てることなく、浄化することなく。
嫉妬・恨み・怒り・・・当たり前に生じる人の心の正直に対し「そういう感情はいけないこと」と、綺麗ごとの御託を並べる。
人の心に存在する全ての情念は消しゴムでは消せない。
当たり前に噴出してくる感情と、どう向かい合い、どう対処して、どう共に生きていくか・・・
それが生きるということではないだろうか、それが共に生きるということではないだろうか・・・。
そういう人に限って、自分自身を振り返り、襟元を正そうとはしないもの。
そして「言い訳」という言葉を駆使して自分を庇う。
問い詰めてみたとて、暖簾に腕押し、怨念だけが泥の底に渦巻いていく。
もっとコミュニケーションをとること。
信頼回復のために自己開示してみせること。
自分の心の底を正直に言葉に出来るように、自分から「言い訳」や「人の所為」を取り去ること。
相手の心の負荷を除去する努力をすること。
相手の「こころ音」に気づかぬ人は、きまって自分の「こころ音」も理解していない。
そんな男、周りにいませんか・・・?


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