カウンセリングハウス Concierge順子 〜コンシェルジュ ジュンコ〜 Concierge順子はこころの救急車です。
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12.同棲時代
故・上村一夫さんの劇画「同棲時代」は、昭和の文化の一点を創り上げた名作でした。
今日子と次郎という2人の主人公が、結婚という保証された愛の形よりも、同棲という土台がないところで
もしも、2人に愛が無くなってしまったら、この形は泡の如く崩れ去る・・・だからこそ愛の真も見えてくると
共に暮らすのですが、結局、若い2人は傷つけあって、その中で、愛を探そうともがき、苦悩します。

時代は、保守的なイデオロギーに対して、革命によって規制的に与えられた社会を覆そうというイデオロギーが
闘争の中で培われ、そして、その新しい息吹が朽ち果てたときに流れ出た、時代の「退廃」「虚無」という灰汁が
冷たい風に交じって吹き荒れた世相でした。
確実なものなど、何もない・・・ならば、確実なものを望むことを棄ててこそ、そう、望むことを棄てることで
真実が見えてくるのかもしれない・・・そんな愛の形が、同棲というブームを作ったのかもしれません。

愛とは・・・男と女が落ちる先。
愛とは・・・瞬間の衝動の如く、今だけを生きること。
そして、突きつけられた答えは、いつも別離。

それは、まるで、男と女は、どちらかが何かを望み、何かを求めたときに、男と女が故の擦れ違いに
壊れていく、現代にも言える現実の愛に、疑問符を投げかけたような・・・まさに愛のイデオロギーにも感じます。

劇画「同棲時代」に登場する、上村さんが描く女性の特徴でもある、今日子の切れ長な瞳に吸い込まれ
同棲を始めたのは、私も同じでしたが、それは幸せを求めてではなかったと思います。
お互いの、心の空虚を舐め合うかのような関係・・・そこにあった空洞は、いまも「愛」では埋まっていない
何故だか、私の同棲談の中では、常に付き纏う*人の不幸癖*のようにも感じています。
まるで、幸せに生きることが、居心地が悪いような。

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