カウンセリングハウス Concierge順子 〜コンシェルジュ ジュンコ〜 Concierge順子はこころの救急車です。
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つれづれ日記

25.(H.20.4.29記)
サナトロジー
平成20年、年が明けた頃「トランスパーソナル心理学」を、遅ればせながら学び始めました。
ここに、手が触れ難かった理由は、自身が「霊性」なるもの、そして「宗教学的な、聖杯を飲ますような美辞麗句」に対して
アレルギーを、もっていたからだと・・・解っていましたが、神秘のベールは開かなければ、自分なりの検証が
出来ずに終わってしまいます。

学んでいくうちに、現在は自分の意識の底に潜んでいるであろう「死の恐怖」というものに興味を抱き
なんとか、自分の中から引っ張り出そうともがき、マンションの屋上の縁に立ってみたり、鍵が壊れたトイレに
こもってみたりと四苦八苦しながら、数ヶ月、ライフワークと化して、私の中に刻みこまれてきました。
サナトロジー=死生学も、そんな中で学んだひとつです。

今は、お休みで実家に帰省しているので、生物学博士の妹と、少しディスカッションなどをしてみました。
ある意味「恐怖」は、生物が生き延びるために必要なものであるということ
観光地の猿が、人間よりも狼に似ているシェパード犬に恐怖を抱くのは、DNAに刻まれている情報であり
遺伝子学的にも、進化論的にも興味深く、先天的恐怖、後天的恐怖を研究すると
人間は同時に併せ持っている種族であり、最も後天的に、あらゆる意味づけをしようする種族だろうとのこと。
意味づけというところでは、粘菌類などで、自己の繁殖を中止することによって、他の同種の繁殖を栄えさせることを
助けるという菌もあり、これは種の繁栄を支えるもの・・・死に対する忌避も、受容も、もっと本能的なものであり
他種の生物には、人間のような、想像(妄想)の域は無いだろう・・・とのこと。

ならば、人が生きている間「死の恐怖」という武者小路実篤氏によると「人間を生かしている」観念は
日常的に、どんな時に、意識の底から、顔を出して沈まないのであろうかと、考えてみました。

ある一定の年齢になると、人は身体がキビキビと動かなくなり、以前は可能だった運動能力が低下してきます。
そして、その時から次第に、過去を懐古しだしたり、行きたかったところを旅したり、子供の頃住んでいた場所を
訪れたりすると言われます。

人は、何も支障がない日常を送り生活をしている時「生を前面とした生」を、送っているのだと思います。
しかし、それが何かの理由で反転すると「死を前面とした生」を、送らざるをえなくなり
そこから、湧き出てくる恐怖、その恐怖が日常に組み込まれた時「端境期」 が訪れていくのだと思います。
読んでいくと、当たり前の理屈ですが、根本から捉え返していた私にとって、ここに至るまで苦しさ辛さの日々でした。

こんな中で、ある疑問が沸いてきています。
日本の仏教は、現在、葬儀を執り行い、墓を守り、仏前に読経し、そこを接点として僧侶と向き合うのが
私たちの慣例となっていますが、本来、釈尊が説きたかった真理とは、かけ離れ過ぎてはいないでしょうか。
「空性」を説いているはずの真理が、何故、骨だとか墓だとか儀式だとかに拘りを見せているのでしょうか?
(現実主義的な私の感性だと、生きている間に、ここの費用を縁あるものと一緒に使った方が、よっぽど
満たされた個人が双方に出来上がると思うのですが・・・)

人間が求めているものは、本当は自身の「救い」なのではないでしょうか?
ブラフマン(梵)とアートマン(我)との一如、ここにおいて、縋りの民が「死の恐怖から救われたい」と思っているから
掌を合わせて、魂をつくり、そこに祈り、まるで自身の恐怖を浄化するが如くの行動が祖先を敬うことなのではないでしょうか?
生きている民が求めているものが、実は祖先への尊厳を表層にかざした自分自身の救いであったなら
人のサナトロジーの構築に、真っ先に人肌脱ぐのは、本質的には現在の宗教界なのではないのでしょうか?
私は無信仰という人間なので、学んだ宗教学的な側面でしか語れないですし、何より墓参りが大好きな無宗教者ですから
今後、僧籍にある方々から、このあたりの考えかたを学んでいきたいと思っています。

サナトロジーの目指す先は、個人の死生観に至ることで「生きていることの尊厳」を問うことであり
それは・・・「死の恐怖」が浮き彫りにされてきた個人に対して、その個人の余生への尊厳の表明であり
そして・・・生死の尊厳と、命を問うことは
命の尊さがバーチャルの世界になりつつあり、奇怪な事件が続いていて、先日は白鳥が棍棒で命を落とし
何処か狂ってきている現状の日本の狂気に、問いかけねばならない急務のような気がしてならないのです。


 

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